会長挨拶

代表取締役
小西 哲之
気候変動をはじめとする地球環境問題の解決、そして人類社会の持続的な発展のためにも、新たなクリーンエネルギーの実現は世界共通の課題です。この解決策として期待されるフュージョンエネルギーの開発は、いま大きな変革期を迎えています。国際協力プロジェクトとして進められてきたITER計画/BA活動によって着実に築かれてきた技術基盤に加え、近年では民間主導の投資と、最新技術に基づく産業化に向けた動きが活発化し、本格的な開発競争時代に突入しているのです。
我が国は、これまで公的研究機関・大学等を中心とした研究開発を通じて培った学術基盤、技術的優位性に加え、ものづくり産業における信頼性、それらを支えてきた人材と経験を有しており、フュージョンエネルギーの産業化に大きく貢献できる可能性を持っています。諸外国の動きが加速している今こそ、日本も産官学が一丸となり、産業化に向けて取り組んでいく必要があります。
そこで、我が国の産官学の有志が一堂に集まり、日本からフュージョンエネルギーの産業を構築し、世界に発信すべく設立するのが「フュージョンエネルギー産業協議会(Japan Fusion Energy Council:J-Fusion)」です。業界内外の有志企業をはじめ、大学や研究所、公的機関や国の組織の同志も集まり、産官学の知恵と人材、知識と経験を集めて新たな産業を興し、未踏のサプライチェーンを構成することで、人類の未来に貢献することを目指してまいります。
この新しいエネルギー技術に期待し、賛同し、応援してくださる社会の理解と支持があってこそ、フュージョンエネルギーの実現に向けた大きな流れをつくることができると信じています。まだ若く小さな企業が大役を担わせていただくことになりましたが、我が国と世界の志を共有する皆様とともに精進させていただく決意です。これからの協議会の発展に向けて、ご支援ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。